今日からしばらくは、石垣市の市街地を少し離れた所の植物を載せていきます。

上の写真の、黄色~緑色の紐のようなものがスナヅルです。 つる性の寄生植物で、光合成の中心となる葉は鱗片状でほとんど目立たず、下の写真のように他の植物の茎に組織を食い込ませて養分を吸収します。
スナヅル(別名シマネナシカズラ)は、日本では九州南部から南の、主に日当りのよい海岸の砂浜に生育していて、南西諸島の海岸では、ごく普通に見られます。
花は外花被片3、内花被片3、オシベ3で、果実になっても先に花被片を宿存したまま、球形の花軸筒に包まれます。

スナヅルはクスノキ科に分類されています。 たしかにこの花の様子を見るとクスノキ科の花の雰囲気を漂わせています。
このスナヅルによく似た植物に、大阪付近でも見ることができる
アメリカネナシカズラやネナシカズラなどがあります(長崎のエフさんの撮ったこれらの写真は
こちらと
こちら)。 しかし、スナヅルとネナシカズラの仲間は全く別の植物で、ネナシカズラの仲間はヒルガオ科に分類されています。 他の植物に巻きついて寄生するという似た生き方を選んだために似た姿になったのでしょう。
保育社の原色日本植物図鑑でこれらの植物を調べたとき、スナヅルは木本編(Ⅱ)に、ネナシカズラは草本編(Ⅰ)に載せられていて、木本編と草本編ということに何か感動を覚えました。
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宿主がいないと自分ひとりでは生きられない。
今生えている所の宿主を全滅させると、自分も死ななけりゃなりません。
宿主にも生きる余地を与えなけりゃなりませんし、自分も種子を作って新しい宿主にうまく取り付かなければなりません。
海藻は肥料成分が海水中にありますから、体全体から肥料分を吸収します。根は流されないようにくっついているだけですので、本来の根ではありません。
そんなわけで、陸上の植物とは、生きるための条件はかなりちがってきていて、寄生する海藻は私は知りません。
繁殖力が強くて他の海藻を駆逐してしまう種類はありますが・・・。
スナヅルの平衡感覚的な生き方がへぇ~~デス。
なぜか手元に保育社の「原色日本植物図鑑 草本編(Ⅰ)」があります。
5~6種類のヒルガオの中に場違いのようにネナシカズラが載ってますね。
よう似たマメダオシ(よくは知りませんが)と共に・・・・・
スナヅルは木本編(Ⅱ)なんですね、こっちはなぜか手元にありません。
木本編ってことは木ってことですか?
それにしてもよく似てますね
まったく違うのに似た生活をすると似た姿になるって
他にもありそうですね
植物だけじゃなく動物にもありそう(今まったく思い付きません)
似てるというとハマゴウに巻きついてるネナシカズラを
見つけたのでこれはハマネナシカズラかもと写真を
撮ったり図鑑を調べたりしましたがアメリカネナシカズラとの
違いがよくわからずじまいでした。。。
今年リベンジしたいです
図鑑の中ではほんとうに場違いな感じがしますが、別の見方をすれば、それだけ生殖器官である花のつくりが分類には大切だということになるのでしょうね。
エフさん、記事にリンクを張って、連絡するのを忘れてしまいました。すみません。
同じような環境に適応しようとすると類似した形質に進化していく現象は「収束進化」と呼ばれています。オーストラリアの有袋類がさまざまな環境に適応してモグラそっくりになったり(フクロモグラ)、オオカミそっくりになったり(フクロオオカミ)したのも、その例とされています。