大阪府堺市の自宅周辺とは少し違った自然とのふれあいの記録です。

シマオオタニワタリ(宮良殿内の庭)

宮良殿内の庭

上の写真は、3月27日の記事に書いた宮良殿内の庭です。 造礁サンゴなどによって作られた石灰岩が配置され、いい雰囲気を持っています。 が、育っている植物はやはり大阪などとはかなり違っています。 その中で、今回は画面の右端と左端に写っているシマオオタニワタリ(?)を取り上げます。
上で(?)をつけたのは、オオタニワタリの仲間には何種類かあり、よく似ているのですが、写真のようにロープが張られていてそれ以上は立入禁止で近寄れなかったためです。 ソーラスの付いている様子が、葉の中央より先端よりで、中肋と葉縁の中間でとまっていることから、シマオオタニワタリであろうと判断しました。
オオタニワタリの仲間は着生植物(寄生ではありません)で、樹木の幹などにくっついて育ちます。 たくさんの大きな葉を斜め上に向けて伸ばし、全体としては漏斗のような形になって落ち葉を集め、腐らせ、その周囲に細かいたくさんの根を出します。 要するに自分で腐葉土を作ってそこに雨水を蓄え、肥料分もそこから吸収する仕組みです。 ですから、根元には大きなフワフワのかたまりができることになり、そこにいろんな植物が育ち、そこで暮らす昆虫も現れます。
下は上の写真の左側のシマオオタニワタリですが、その根元にはたくさんのオキナワウラボシが育っています。

シマオオタニワタリ
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オキナワウラボシ(胞子嚢群の観察)

オキナワウラボシ 1

前回の記事で宮良殿内のことを少し書きましたが、その石の塀にオキナワウラボシがたくさんついていました。 南国を感じさせてくれるシダです。
オキナワウラボシの学名は Microsorium scolopendria (Burm.) Copel.、常緑性のシダで、岩の上など日当たりのいい乾燥気味の所でも育つようです。 宮良殿内のオキナワウラボシも意図的に植えられたのか自然に生えたのか分からないような生え方をしていました。 オキナワウラボシは「ミクロソリウム」という名で販売され、多くの愛好家によって栽培されていますので、生えてきたものを選択的に残しているのではないかと思います。 長く横に這う根茎は、石の隙間の奥にあるようです。
葉は小さいうちは楕円形の単葉ですが、よく育ったものでは数対の裂片を左右に出します。

シダは胞子で増えます。 この胞子は肉眼で見えるような大きさではありませんが、この胞子をたくさん入れておく胞子嚢(ほうしのう)の1つひとつは目を凝らせば見える大きさです。 胞子嚢は、多くは葉の裏につき、たくさん集まって胞子嚢群を作ります。 この胞子嚢や胞子嚢群の様子はシダ植物の分類のひとつのポイントになるのですが、オキナワウラボシでは、胞子嚢群の形は円形になります。 そしてこの胞子嚢群は、若いうちは包膜に覆われて保護されています。 シダの種類によっては包膜の無いものもありますが、この胞子嚢群と包膜とをあわせて「ソーラス」と呼んでいます。

オキナワウラボシではソーラスがくっきりと分かりやすいので、上記のことを写真で確認していくことにします。
いちばん上の写真(写真はクリックで拡大します)で、葉に小さな円形の模様がついています。 この円形の模様は、よく見るとドーナツ形で、これは葉の裏に胞子嚢群とそれを覆う包膜がついていて、その部分が葉の表にも膨らみとして現れているためです。
下の写真は、葉を裏から撮ったものです。 ドーナツ形の包膜が写っています。 包膜がドーナツ形になるのは、包膜の中心部が葉とくっついているからです。

オキナワウラボシ 2

包膜に包まれて、胞子嚢(の中の胞子)が成熟します。 胞子嚢が成熟すると包膜は縮れて落ちてしまい、胞子嚢群が姿を現します。 下の写真は円形の胞子嚢群を写したもので、胞子嚢群を形成しているツブツブの1つずつが胞子嚢、つまり胞子を入れておく袋です。 胞子は胞子嚢の中に詰め込まれていて、顕微鏡を使用しないと写せる大きさではありません。

オキナワウラボシの胞子嚢群

サンゴアブラギリ

石垣市の市内に宮良殿内(みやらどぬじぃ)があります(下の写真)。 ここは琉球国の当時頭職(かしらしょく:八重山最高の役職)の住宅として、殿内の格式をもって1819年に建てられた建造物で、重要文化財に指定されています。

宮良殿内

その庭に、サンゴに見立てられる赤い花、サンゴアブラギリが咲いていました。
サンゴアブラギリは西インド諸島~中央アメリカ原産の低木です。 写真の果実からも分かるように、トウダイグサ科で、葉は掌状に3~5深裂します。

ヤトロファ 1

じつはサンゴアブラギリは3月5日に記事にしたテイキンザクラに近い仲間です。 テイキンザクラの学名は Jatropha integerrima、サンゴアブラギリの学名は Jatropha podagrica で、どちらもヤトロファです。

ヤトロファ 2

「Jatropha」はギリシャ語の「医師」と「栄養」からなり、この属の植物が薬用とされたことによりますが、最近はこの仲間の Jatropha curcas(和名はタイワンアブラギリまたはナンヨウアブラギリ)などはバイオディーゼル燃料の原料として注目されています。

プルメリア

プルメリア 1

石垣市の歩道の脇で育てられていたキョウチクトウ科のプルメリアです。
プルメリアは花に芳香があり、熱帯各地では公園や寺院やホテルなどにもよく植えられており、ハワイやタヒチなどではレイに使われたりしていますが、12月に路地で花を見るとはさすがに石垣だと感心してしまいました。

プルメリア 2

ガジュマル

ガジュマル 1

写真は石垣市の市街地にある沖縄県八重山支庁跡地のガジュマルです。
ガジュマルは南西諸島から、台湾、中国南部、インド、オーストラリアなどにかけて自生しています。

ガジュマル 2

ガジュマルはイチジクの仲間で、イチジクに似た小さな実(偽果)をつけます。 この実は鳥やコウモリなどに食べられ、糞に混ざった種子は他の木や岩などの上で発芽し、幹から出た気根は垂れ下がり、次第に太るとともに互いにくっつきあい、土台となった木や岩などを覆っていきます。 「ガジュマル」の名の由来は、一説にはこのような気根が「絡まる」が訛ったとされています。
気根は地面に達して太くなれば、幹と区別が付かなくなります。 こうした過程で、土台となる木は気根に取り囲まれて枯れていくことから、ガジュマルは「絞め殺しの木」とも呼ばれています。
石垣市内では、八重山支庁跡地以外でも、あちこちでガジュマルを見ることができました(下の写真)。

ガジュマル 3

ガジュマル 4

下は石垣市役所前のガジュマルです。

ガジュマル 5

アカギ

アカギ 1

写真は石垣市の市街地の街路樹として植えられていたトウダイグサ科のアカギです。 写真は12月に撮ったもので、たくさんの果実ができていますが、黄緑色の花が咲くのは2~3月頃です。
アカギは南西諸島・台湾・中国南部からオーストラリアにかけて分布しています。 南西諸島では、石灰岩地帯を好み、タブノキなどと極相林を構成する樹種の一つです。
名前は、樹皮が全体に赤褐色をしているところからでしょう。 樹皮は細かく割れて剥がれてきます。 3出複葉が互生し、雌雄異株です。
写真のような街路樹や庭木などとして利用されるほか、材は赤くて白色の木目が美しいため、家具や建材等にも利用されています。 果実も食用になるようです。

アカギ 2

アメリカハマグルマ

アメリカハマグルマ

アメリカハマグルマ( Wedelia trilobata )は熱帯アメリカ原産の多年生のつる植物です。 ウェデリアという名前で植栽されたり被覆植物として利用されていたものが逃げ出し、野生化しています。
茎は地面を這い、枝の節から次々と根を生やし、大群きな群落を形成しています。
花は6月頃に多いものの、年中咲いているようです。

アメリカハマグルマの群落

シマニシキソウ

シマニシキソウ

シマニシキソウは熱帯アメリカ原産の一年草です。 日本で見ることのできるニシキソウの仲間では、最も大型です。
茎に毛が多く、さく果にもたくさんの毛が生えています。 ちなみに、大阪付近でも普通に見ることのできるオオニシキソウのさく果には、毛はありません。

シマニシキソウの花と実

シマニシキソウは近畿地方以南でも稀に見ることはできるのですが、南西諸島では空き地や道端で普通に見ることができます。

ホシアサガオ(?)

マメアサガオ 1

前回のネコアサガオに続いて、もう一種、小さな花のヒルガオ科を・・・
写真はホシアサガオではないかと思います。 大阪付近で見られるホシアサガオと少し様子が違っていて、自信は無いのですが・・・。
下の写真の花のスケールは、下がセンチメートル、上がインチです。

マメアサガオ 2

下の写真の葉には切れ込みがありませんが、葉の形には変化が多く、時には3裂するものもあります。 暖かい石垣島では12月でもよく育ち、花も実も見られました。

マメアサガオ 3




ネコアサガオ

ネコアサガオ

熱帯・亜熱帯の植物の種類はたいへん多く、人や物の移動が盛んになって、帰化植物の種類も多くなってきています。 ネコアサガオ(Ipomoea sinensis)も、熱帯アジア原産ですが、最近帰化したのか、情報はあまり多くありません。
写真のように、全体的に毛が多く、特に茎には開出した長毛がびっしりと生えています。 ガクは5枚ですが、うち3枚は卵状披診形で背面に長い緑毛があり、その3枚に抱かれるように存在する内側の2枚のガクは、幅狭く、線状披針形です。 葉は卵状心形で、基部は深く入り込んでいます。

ネコアサガオの花

ハマアズキ

ハマアズキの花

ハマアズキは熱帯の海岸に広く分布するマメ科ササゲ属の植物で、日本では屋久島以南と小笠原諸島から知られています。
葉は3小葉からなる複葉で、茎は地面を這います。
下の写真は石垣島で写したものですが、グンバイヒルガオの葉があちこちに写っていますので、注意して見てくださいね。

ハマアズキ

【参考】
餡(あん)などの材料となる作物のアズキも同じくマメ科ササゲ属で、花の色が黄色であるというのも共通ですが、こちらは花がねじれています(下の写真)。

アズキの花

クロバナツルアズキ

クロバナツルアズキ

石垣島の空き地などあちこちでポツンポツンと咲いていたクロバナツルアズキです。
クロバナツルアズキは熱帯アメリカ原産で、被覆作物として導入され、世界の熱帯・亜熱帯各地で帰化しています。 被覆作物とは、土壌の乾燥化と排水性の改善などの目的で、畝間などにに作付けする植物です。
多年生のつる植物で、基部は木化しています。 葉は3出掌状で、裏面は緑白色をおびています。
花柄は長く、先端に黒紫色のねじれた蝶形花を数個つけます。
クロバナツルアズキは分類ではインゲンマメ属(Phaseolus属)に分類されています。 インゲンマメの花は“素直な”蝶形花なのに、クロバナツルアズキの花はアズキ(ササゲ属=Vigna属)の花のようにねじれているのは、おもしろいところです。 もっとも、ねじれかたは少し違うようですが・・・

クロバナツルアズキの花

ベニゲンペイカズラ

ベニゲンペイカズラ

石垣島の畑の片隅に植えられていたベニゲンペイカズラです。
ベニゲンペイカズラはゲンペイカズラとベニバナクサギとを交配して作られた園芸種です。
写真の左の花では、オシベが前に突き出して、メシベは下に曲がっています(写真をクリックして拡大して見てください)。 また、右下の花では、メシベが前方に突き出してオシベはクルクルと付け根の方に巻き込んでいます。
園芸的に作られた種とはいえ、クサギの仲間の自家受粉を避けるしくみはちゃんと残っています。
ベニゲンペイカズラの花期はふつうは5月~9月で、耐寒性は5℃程度を維持できれば大丈夫な植物とはいえ、12月に畑の片隅で咲いていたのは、さすがに石垣島だと思いました。

テイキンザクラ

テイキンザクラ 1

私がテイキンザクラをはじめて見たのは大阪で行われた花博の会場でした。 美しい花で夢中になって写真に撮ったのを覚えています。
石垣島で見たテイキンザクラは、小学校の生垣として、ズラ~~っと列植されていました。 石垣島では普通の植物なんですね・・・
テイキンザクラは雌雄異花で、写真は雄花です。 花は温度と光が十分であれば周年開花するようですが、春に多いようで、花の多くない時期に、花の数の少ない雌花を撮ることはできませんでした。

テイキンザクラ 2

テイキンザクラは西インド諸島原産のトウダイグサ科の植物です。 テイキンを漢字で表現すると「堤琴」で、中国語ではバイオリンのことを意味するようです。 葉の形から名づけられたというのですが、そんなに似ているとは思わないのですが・・・

テリハボク

テリハボク

テリハボクは、その名のとおりに光沢のある大きな葉をつける木です。 一見インドゴムノキのような葉ですが、インドゴムノキの葉は互生であるのに対して、テリハボクの葉は対生です。
テリハボクはインド洋や太平洋の熱帯の海岸に自生しています。 日本でも南西諸島や小笠原諸島で見られますが、潮風に強いために、海岸沿いの防風林や潮害を防止する目的で植えられたりもしています。
自生が海岸で見られるのは、やはり種子が海流散布されるからです。 花は6月ごろですが、私が12月に見たテリハボクの木の下には、たくさんの果実や種子が落ちていました(下の写真)。

テリハボクの果実と種子

仏典に出てくる「龍華樹」は、このテリハボクのことのようです。 釈尊入滅後56億7千万年後に、弥勒菩薩がこの木の下で成仏するとされています。

サキシマフヨウ

サキシマフヨウ

石垣島で咲いていたサキシマフヨウです。
本州のフヨウ(九州・四国に自生)の開花時期は9月~10月ですが、サキシマフヨウの開花時期は10月~12月です。
サキシマフヨウの花の色は、ほぼ白に近いものから濃い紅色まで、いろいろです。 大きな美しい花なので、あちこちに植栽され、大阪に戻ってから気がついたのですが、大阪市立長居植物園にも植えられていました。 ただ、大阪などでは落葉するのですが、南西諸島などでは常緑のようです。
Hibiscus属ですので、めしべの周囲にオシベがくっついて取り囲んでいます。 メシベの柱頭は、上に向かってキュッと曲がっています。

サキシマフヨウの花
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